虫歯のはなし〜食事〜

虫歯のはなしで歯に穴があく条件として次の4つの要因があることをお話ししました。

①歯質・唾液:むし歯のできやすい歯(歯並びなど)←(虫歯のはなし〜歯の特徴・唾液〜編)

②食事:プラークをつくりやすい食品(特に砂糖)

③細菌:むし歯をつくる細菌(ミュータンス菌)

④時間の経過:歯を磨かない状態で放置する

今回は②の食事:プラークをつくりやすい食品(特に砂糖)について、おはなしをします。

このグラフは食事をした後の口の中の変化を表したものです。通常お口の中のph値は7程度で中性を維持しています。食事をすると糖をエサにして虫歯菌が酸を産生します。すると、食事をした直後から口の中のPhは中性から酸性へと変化します。食事をしてから3分〜5分で点線ラインより下まで下がります。オレンジ部分では脱灰により歯が溶けていている状態になっています。食事をしてから30分位すると唾液の力により口の中のPHは酸性から中性へと回復します。点線より上の部分が再石灰化により歯が修復されているってことを表しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒトは何か食べたり飲んだりすると基本的に歯が溶けるのですが(これを脱灰といいます)唾液がこの溶けた歯のミネラル分をもう一度歯に戻してくれます(これを再石灰化といいます)。飲食をするたびにお口の中ではこのようなことが起こっています。

上のグラフの人のように朝食・昼食・夕食と決まった時間におやつを食べる規則正しい食習慣の人は唾液のちからにより再石灰化がしっかり働いているので、虫歯が出来ない正常な口腔内の環境を維持できます。

一方、下のグラフの人のように朝食・昼食・夕食の他にダラダラとおやつを食べていると唾液が口の中を正常に戻すことができず、歯を溶かしている状態が続き、虫歯になりやすくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考文献)

子どものう蝕治療とリスクマネジメント 木本茂成・弘中祥司・田中晃伸 編集委員 デンタルダイヤモンド増刊号2016/07

待合室でわかる歯とお口の本 ハノコト vol.1 GC