フッ素について〜フッ素塗布編〜

フッ素とは、歯牙の発育期に摂取したり、萌出後の歯に局所的応用することでむし歯を予防する天然の元素です。

 

フッ素はフッ素化合物として他の元素と結合した形として存在し、岩や土壌のミネラル成分の一つです。さらに海産物や農作物にも様々な濃度のフッ素が含まれており、私たちは毎日の食生活の中でフッ素を取り込んでいます。

<自然界のフッ素濃度>

土壌:300 ppm以下

海水:1.3   ppm

食品:2〜10 ppm

<フッ化物を利用した歯の虫歯予防方法>

<フッ素はどうして歯にいいの?>

フッ化物歯面塗布は、萌出後の歯の表面に直接フッ化物を作用させることによって、むし歯抵抗性を与える方法です。歯科医師や歯科衛生士が行うむし歯予防手段であるため、歯科医院や保健所・区市町村保健センターなどで実施されています。

(歯面塗布方法)

主に下記3つの方法が用いられており、歯ブラシ法・綿球法が一般的です。

  • 綿球・綿棒法:溶液タイプの製剤を用いて、小綿球または綿棒に浸して歯面に塗布する方法
  • 歯ブラシ法:ゲル(ジェル)タイプの製剤を、歯ブラシを用いて、通常の歯磨きの要領で歯面に塗布する方法
  • トレー法:既成または個々人の歯列に合わせたトレーにゲルまたは溶液タイプの製剤をのせ、歯面に接触させる方法

(予防効果)

フッ化物歯面塗布は単に1回受けても効果は得られません。年2回以上定期的に継続して受ける必要があります。乳幼児に定期的に継続して実施した場合、むし歯をほぼ半分に減少させたとの報告があります。また永久歯に対する予防効果については20~30%の報告が多いようです。

 フッ素塗布はいつからできるの?

フッ素は生えてきて間もない歯に使うと一番効果的です。

乳歯は生後6ヶ月から3歳半頃まで、永久歯(親知らずは除く)は4歳頃から中学3年生頃までに生えてきますので、その時期に使うと一番効果があります。

フッ素塗布はいつまでするの?

萌出直後の歯の表面のエナメル質は、むし歯に罹りやすい反面、エナメル質にフッ化物が取り込まれやすいです。もっとも遅く萌出する第二大臼歯は中学生で萌出し、2、3年かけて成熟するのです。結論的には、0~15歳まで定期的に年2回以上の塗布を続ける必要があります。

参考文献

・厚生労働省 e- ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp

・一般社団法人 熊本県歯科医師会

http://www.kuma8020.com

・公益社団法人 日本歯科医師会

http://www.yobousan.net