歯磨きはいつするの?
いつまでも自分の歯でおいしいものを食べられるように、上手にハブラシを使って歯の健康を保つことは大切です。
最近の研究発表で、歯周病菌はインフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする酵素を出すため、お口の中が不潔だとインフルエンザや新型コロナウイルスに感染するリスクが上がることが報告されています。
厚生労働省の調査によれば、日本人の歯磨きは95%が毎日行っており、一日に2回磨く人はおよそ2人に1人の割合で、1975年と比べると約2倍の割合です。
ほとんどの方は1日に2回程度歯磨きを行っているわけですね。ちなみに女性のほうが歯磨き回数は多い傾向にあったそうです。そして歯磨きの平均時間に関してですが、民間会社の調査によれば、歯磨き時間は最も多いのが1~3分未満の人が約50%、3~5分未満の人が約30%、10分以上が約10%とされているようです。
(アサヒグループホールディング調べ)
では、一日に何回、どのくらい時間をかけて磨けば良いのでしょうか。約60年前は「一日3回、3分間、食後3分以内に歯を磨こう」という “3・3・3運動” が推進されたこともありましたが、「食べたら直に歯磨きすることは良くない」など様々な見解があり、医学的に明確な答えは出ていません。
現在では、口の中の環境はひとそれぞれ違うので、回数や時間よりも虫歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢(細菌の塊))をどれだけ取り除くかという質のほうが大切だと言われています。
虫歯も歯周病も、お口の中の細菌が、歯の表面や歯と歯茎の境目に着くために起こります。この細菌は歯の表面に着いてもすぐには悪さをしません。丸1日かけて、歯垢を形成して成熟して、ようやく悪さをし始めます。
細菌が歯を溶かすまでには最低でも24時間かかるため、一日に1回はしっかりとした歯磨きをする必要があります。特に寝ている時は唾液の量が減り、菌が活発に動くため、就寝前には「お口の中をリセットする」という意識で一本一本丁寧にみがくことを心がけていきましょう。
<参考文献>
1)厚生労働省(2012). 平成23年歯科疾患実態調査
2)アサヒグループホールディングス
https://www.asahigroup-holdings.com/company/research/hapiken/maian/bn/200702/00175/