最近のトピックス(歯周病と認知症)

 

先日、多くの人メディアが取り上げていましたが、

九州大学や北京理工大学(中国)の共同研究チームがマウスを使った実験で、歯周病がアルツハイマー型認知症につながるメカニズムが解明しました。

 

認知症は、何らかの原因によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。

認知症は3大認知症として「アルツハイマー型」「レビー小体型」「血管性」に分けられます。多くの場合、アルツハイマー型認知症であり、物忘れがきっかけで気づくことが多いのが特徴です。症状としては記憶障害や見当識障害、言語障害、視空間認知障害などがあります。

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が異常にたまり、それに伴い脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少したりして、脳の全体が萎縮して引き起こされると考えられています。

発症した時には、既に長年にわたり原因たんぱく質が蓄積しているため、現在では効果的な予防や根本的治療が困難といわれています。

 

アルツハイマー型認知症は世界中で研究が進められていますが、最近になって認知症の患者の脳内から歯周病の原因菌が検出されたことから、治療法の確立につながるのではないかと注目が集まっていました。

これを受け、九州大学の武洲准教授らの研究チームがマウスに歯周病の原因菌(P. gingivalis)を3週間連続で投与した結果、マウスの脳内にあるアルツハイマー型認知症を引き起こすたんぱく質「アミロイドβ」が10倍に増え、記憶力が低下しました。

 

この研究は歯周病によるアルツハイマー病の新たな関与メカニズムを示しており、歯周病の予防ならびに治療によって、アルツハイマー病の発症と進行を遅らせる可能性があります。

 

歯周病という病気についてはもう少し、お話ししたいと思います。

歯周病2に続く

<参考文献>

1)日本歯科医師会(https://www.jda.or.jp)

2)九州大学(https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/466)

3)30代からはじめる認知症回避プロジェクト 株式会社ヘルシーパス

(https://anti-dementia.org/privacy-policy/)