COVID舌
こんにちは、『草津市のはいしゃ。大上歯科』です。
現在流行の主流となりつつある新たな変異株、通称「ニンバス」は当初、軽いのどの違和感や咳、鼻水など夏風邪に似たものから始まります。しかしその後、急激に症状が悪化し、強烈なのどの痛み「カミソリでのどを切られたような激痛」があらわれるケースが多く報告されています。
基本的にはCOVIDは発熱、呼吸器症状(咳・痰)、喉の痛みが主症状ですが
研究によると、「COVID舌」はコロナウイルス感染の症状の一つである可能性があると示唆されています。スペインで行われた研究では、舌の潰瘍、腫れ、その他の口腔の問題を訴える人が確認されました。舌と口の中の症状は通常、コロナウイルスの他の一般的な症状と同時に現れます。
COVID舌とは何ですか?
臨床的には「舌炎」として知られていますが、ウイルスに感染すると起こる可能性があるため、「COVID舌」と呼ばれるようになりました。「COVID舌とは、急性感染症において、舌の細胞がウイルスによって攻撃され、一時的に損傷を受ける、まれな疾患であるもののよく知られた症状」
最も一般的な「COVID舌」の症状は次のとおりです。
- 舌の腫れや痛み
- 舌の炎症で舌の側面にへこみができる
- 口の軟部組織または歯茎の根元に痛みを伴う潰瘍が発生し、舌の裏側の隆起のように見えることがあります。
- 舌に白い斑点が現れる
- 舌の灼熱感
- 味覚障害
- 舌に「毛羽立った膜」(白い苔)ができる
*歯ぎしりによって舌の側面にへこみが生じることもあります。
2025年に中国で報告された論文によると重症COVID-19と診断された患者の舌は紫色で舌苔は黄色であったのに対し、重症でない患者は一般的に舌は薄赤色で舌苔は白色であったと示唆されています。
正直、見ただけではCOVID舌と診断するのは困難です。さまざまな感染症の既往歴、服薬、COVID-19の既往歴、血液検査、発熱、味覚および嗅覚の喪失、呼吸困難などの症状、喫煙歴・飲酒歴から総合的に診察をした上で、COVID舌と最終診断できます。
COVID-19による発現頻度は?
COVID-19の一般的な症状ではありませんが、2020年にCOVID-19が流行して以来、多くの施設で報告があり、スペインでは650人以上を対象とした研究で、4分の1以上が舌の腫れ、赤み、炎症などの口腔の問題を経験していることを報告しています。
COVID-19による舌の痛みの原因は何ですか?
考えられる要因として、一つは舌と口腔粘膜の細胞壁にある免疫システムがウイルスに反応することで炎症が引き起こされ、痛みが出現する。
もう一つの考えられる要因は、COVID-19ウイルスが体の免疫反応を弱めることです。抵抗力が低下した体に新たな病原体が侵入し、口腔症状の発症につながっている可能性があります。
COVID-19による舌の痛みはどのくらい続きますか?
通常は感染が治まると症状は消えるそうです。場合によっては、舌の痛みが持続し、治療が必要になることもあるようです。
COVID舌を治療はありますか?
COVID -19の舌の症状は通常自然に治まりますが、場合によっては症状が持続することもあります。文献で使用されている治療法としては、「マルチビタミンとミネラルの1日1回服用、殺菌効果のある洗口液(1日2回)食生活とライフスタイルの改善などが挙げられます。」しかしながら確立された明確な治療法はありません。
皆さんのお悩みの解決になれば幸いです。
大上歯科医院
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<参考文献>
1)COVID-19 Symptom: Tongue Sores and Changes Written by Ada’s Medical Knowledge Team
2)Warning indicators of COVID-19 severity: a retrospective observational study integrating modern biomarkers and traditional tongue features Front. Med., 15 April 2025
3)Prevalence of mucocutaneous manifestations in 666 patients with COVID‐19 in a field hospital in Spain: oral and palmoplantar findingsBritish Journal of Dermatology, Volume 184, Issue 1, 1 January 2021, Pages 184–185,