虫歯のはなし〜唾液〜
虫歯と唾液には密接な関係があるといいましたが、どうして虫歯のなりやすさと唾液の性質に関係があるのか、唾液についてもう少し詳しく説明します。
唾液は、食事をしている時に欠かせないものです。唾液を産生する組織の細胞は加齢とともに減少しますが、特別な病気がない限りは、しっかりと噛んで食べるという習慣が保たれていれば、唾液が出にくくなって口腔内が乾燥することはないと思います。
[唾液の出る量はどのくらい]
成人の健常者では1分間に0.3mlくらの唾液がでます。
1日に分泌される唾液の量は0.5~1.5L。
多い場合は500mlのペットボトル3本分にもなります。
唾液は神経でコントロールされているので、精神的ストレスがあるとき、緊張したとき、不安や怒りを感じたときなどには、交感神経が刺激されて、唾液の分泌が抑制され、口の中が乾きやすくなります。
[唾液の働き]
[唾液を減少させる病気・習慣]
- 全身的な疾患(糖尿病・腎障害・貧血・脱水・シェーグレン症候群、甲状腺機能が低下したとき)
- 口呼吸(鼻の病気などにより口で呼吸していると、口の中が乾燥します)
- 女性ホルモンの低下(女性の場合、更年期になると女性ホルモンの分泌が低下します。
それに伴って唾液の分泌量も減ります。)
- ストレス(唾液腺は自律神経に支配されているので、ストレスがあると交感神経が強く
働いて、唾液の分泌が抑制されます。)
- 生活習慣(食べ物をよく噛まない、早食い、喫煙などの影響で唾液の分泌が低下します。)
- 喫煙習慣
[唾液減少させるくすり]
抗うつ薬・睡眠薬・降圧薬などに唾液の分泌量を減少させるものがあります。
(引用文献)新・口腔の生理から?を解く森本俊文(著者) デンタルダイヤモンド社