歯周病のおはなし③

現在、全国でコロナの感染者数が急激に増え、本当に今、医療が崩壊し始めているのではないかと思っています。

バッハ会長が銀ブラしていたから、不要不急の外出をしても良いというわけではありません。もし感染しても直ぐに入院出来ない現状が今そこにあります。

コロナウイルスの研究も進み、多くのことが分かってきましたが、まだまだ危険な感染症であることには変わりません。感染から身を守るためにはマスクの着用・手洗いをし、

感染リスクが高まる 5 つの場面を避けるようにしましょう。

1・飲酒を伴う懇親会等

2・大人数や長時間におよぶ飲食

3・マスクなしでの会話

4・狭い空間での共同生活

5・居場所の切り替わり(昼食時などに集まることなど)

先日、私はコロナをテーマにした論文を執筆し、日本顎咬合学会誌Vol.41 No1・2号に掲載することができました。日本ではコロナの論文が少ないと言われている中で、執筆が出来た事は嬉しい限りです。

しばらくブログが書けていなかったので、また口の病気について書いていこうかなと思います。

細菌の種類

私たちの体には100兆個を超える数の細菌が存在するといわれており、皮膚や消化管など体の外と通じている器官に存在し、病原菌の侵入を防いだり、消化を助けるなど人体にとって大事な役を担っています。

口の中にも善玉菌・悪玉菌が存在し、700種以上の細菌が生息しています。特に口の中の菌は口の中の環境だけでなく、全身の健康にも関わっています。普段、善玉菌・悪玉菌が良好な関係を保っており、細菌たちはあまり悪さをすることはありません。

 

細菌が住み着く場所

細菌には日当たりのいいところが好きな菌、暗い影が大好きな菌に大きく分けられ、口の中では歯の表面、歯肉溝(歯と歯ぐきの隙間)、舌、咽頭、頬粘膜、唾液 などでそれぞれが細菌の家を作っています。

 

口の中に細菌はいつから住み着く?

細菌は、菌種ごとに塊となって住み着きます。この状態を品種ごとに並んで咲くお花畑(flora)にみえることから「細菌フローラ」と呼ばれ、鼻、腸、皮膚、口にそれぞれの細菌フローラを作っています

 

 

 

 

 

 

口の中の細菌フローラの形成は出生直後から始まります

ライオン株式会社が乳幼児の唾液中の菌種数の変化を調べた結果、生後 1 週間ですでに口腔内に数十種類の細菌が認められ、その後、生後6ヶ月頃から急激に菌種が増加、菌叢が多様化します。親子間の口腔細菌の共有率を調べるとその結果、

生後 1 歳半時点で、子どもと父親 (または母親)との共有率(父: 27.9%,母: 29.3% )になるそうです。

口腔細菌フローラは乳歯の永久歯への交換する時期で変化し, さらに思春期を経て成人のフローラへと移行していきます。成人になるまで常に変化をし続けます。

 

歯周病は感染病

歯周病は病気がそのままうつるわけではなく、唾液に含まれる歯周病菌で感染します(経口感染)。歯の表面に付着した歯垢や歯石はもちろんのこと、唾液の中にも無数に生息しています。この唾液が他人の口の中に入るようなことがあると、歯周病菌がうつりやすい傾向にあります。

つまり歯周病菌は親子間や夫婦間で感染することが多くの研究から明らかになっています。

 

日常生活に潜む歯周病菌をうつす行為

・親と子が同じ食器を使って食事をする

・家族で使用している歯ブラシが接触した状態で保管している

・同じうがい用のコップを使用する

・飲み物を回し飲みする

・キス

お父さん・お母さんの口の中が汚れた状態であると、多くの歯周病菌が存在することとなり、子供に歯周病菌をうつすリスクがそれだけ上がります。また特に歯周病菌が、口の中に定着しやすい時期が15~20歳頃と言われています。そのため、15~20歳の時期に多くの人とキスをすると、それだけ歯周病菌に感染しやすくなります。

 

なかなか歯周病菌を避けて生活するということは難しいです。ほとんどの人が歯周病菌をもっています。

しかし歯周病菌は歯周病の直接的な原因になりますが、口の中に細菌がいるからといって必ずしも感染を起こすわけではありません。歯周病を発症する人と発症しないない人がいます。

その話はまた次回。

 

 

 

 

<参考文献>

1)続 日本人はこうして歯を失っていく (朝日新聞出版)日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会

2)「えっ!? まだ始めていないんですか? お口からの感染予防」(ギャラクシーブックス)

3)加齢による口腔領域の変化Dokkyo Journal of Medical Sciences 35(3):263 〜 268,2008 川又 均

4)日本臨床歯周病学会